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キャンプアイテム

アブや蜂などの毒虫に刺された時に症状を軽減できるポイズンリムーバーを持っていますか?

持っているのと持ってないのとで後の症状が変わる?ポイズンリムーバーとは?

ある登山に、一人の女性の方と同行したことがありました。

その登山の最中に「チクっ!」と何かに刺されたようで、その次の日に画像が私の元に送られてきました。

何に刺されたのかわからなかったみたいですが、アブが飛んでいたので、アブだろうということでステロイドの塗り薬を塗って様子をみてみることにしました。

刺された当日ではなく、翌日にこのように赤く腫れだしたので、少し調べると、アブに刺されると翌日以降に腫れることが多いとあり、アブと断定しました。

そのあともしばらくはステロイドの塗り薬を塗って様子をみましたが、改善されるどころか・・・

周りが青黒く腫れてしこりのようなものができました。その後も、ステロイドの塗り薬を塗り一ヶ月ほどで治りました。アブに刺されると、患部が腫れてそれが長引くそうです。

私の父が趣味で鮎釣りをしている時に、ウエーダーと呼ばれる、川に入って釣る時に使う、腰や胸まである長靴を履いているにもかかわらず、その上からアブに噛まれたことがあったそうです。

その時も、患部が腫れてしこりができたそうで、治るのにも時間がかかったそうです。父は刺されたら患部をつまんで汁をだした方が良いと、教えてくれました。

また、同じ女性と登山へ行きました。すると、またアブに噛まれたのです。

今回も前回と同様、タイツの上からで、「痛い!」と声が聞こえて確認するとアブが止まっていたので、手ではらいました。

パニックになった彼女を落ち着かせて、下山して確認すると、腫れや傷は確認できませんでした。少し時間が経った夜に、傷と腫れが出てきました。

父から教わったように、患部をつまんで汁をだしました。

今回は前回よりマシで、汁をだしたのがよかったのでは?と翌日画像が送られてきました。ただ、完全に何もないわけではなく、多少の痛痒さはあるとのことでした。

アブは蜂のように針は持っておらず、噛んで出てきた血を吸います。その際に唾液が傷口から入り、アレルギーを引き起こすそうです。非常に痒いので、患部を無意識にかきむしり酷くなることもあります。

多少の熱もありましたが、汁をだした方がマシであることがわかりました。

しかし、登山で2回もアブに噛まれた彼女は、「当分、登山には行きたくない!」と言うし、キャンプでも、アブを怖がってなかなか楽しめない様子で、これは困ったな、色々調べてみました。

刺されないように予防する方法もありますが、今回は噛まれた後に素早く、毒や有害物質を体からだしてあげる、ポイズンリムーバーというアイテムがあります。

数時間後に患部をつまんで、症状が軽減されるなら、噛まれてすぐにポイズンリムーバーで毒などを体外にだしてあげれば、さらに症状が軽くなるのではないかと思い、今回はポイズンリムーバーに触れてみたいと思います。

ポイズンリムーバーとは?

蜂やブヨ、蛇、毒を有するものに刺されたり、噛まれたりして体内に入る、毒素や毒針を吸引して体外へ出す救急アイテムです。

医師の手当を受ける前に、ポイズンリムーバーで応急処置を行うことで、症状を軽くすることができます。

前項でお話したように、ブヨは、人の体に噛みついてできた傷口からでる血を吸うと同時に毒素を体内に注入してきます。

なので、刺されてすぐにポイズンリムーバーで毒素などを吸引して体外へだすと効果が高くなります。

時間が経つと毒素が体内に入り込むので、効果があまりなく、刺されたり、噛まれたらすぐに使用するようにします。

ポイズンリムーバーは、あくまで応急処置に過ぎないので、症状がひどい場合は医療機関の受診をオススメします。

それでは、私が実際に手に入れたものをみて頂きたいと思います。

ソーヤー エクストラクターポンプキット

ソーヤーのエクストラクターポンプキットです。モンベルの店舗で購入しました。

英語表記のケースですが、日本語の使用説明書が付属してありますのでご安心ください。

写真で使い方がわかりやすく書かれており、大変わかりやすいです。

キットの内容ですが、一番下がエクストラクターポンプ本体です。

真ん中の透明なものが吸引カップです。(全4種類)

上にかみそりが入ってこれでキット内容全てです。

吸引カップは傷の大きさによって対応できるように、4タイプ用意されているのが嬉しいですね。

蛇に噛まれた時用なのか二つの噛み跡を同時に吸引できそうなカップをありますね。(説明書には二つの噛み跡に対し交互にとありますので、噛まれた蛇の大きさによって変わります。)

では続いて使い方を説明していきます。

使用方法

①傷口の大きさに合わせて吸引カップを選びポンプの先端に装着します。

②ピストンレバーをいっぱいに引き上げ、吸引カップを患部に向けて垂直になるように当てる。(体毛が多い部分は付属のかみそりで体毛を剃ってから使用してください。)

③ピストンレバーをいっぱいまで親指で押し下げます。

④すると吸引カップ内が真空状態になり、患部から毒液や毒針が吸引されていきます。

⑤ピストンレバーを引き上げると、真空状態が解除され、吸引カップが外れます。

この時に吸引した毒液が飛び散らないように注意します。

使い方はこの5ステップでレバーを押して真空状態になるので片手で使用できて簡単です。

*虫に刺された場合、60〜90秒くらい吸引状態を保ち、毒液や毒針を体外に排出してください。また必要に応じて②〜⑤を繰り返し行う。特に蜂に刺された場合は、毒針をピンセットで引き抜こうとすると、かえって毒液を搾り出すことになるので、速やかにエクストラクターポンプで吸引する。

*蛇に噛まれた場合、直後の5分間に吸引を行うことが非常に重要。すぐに2つの噛み跡に対して、2〜3分ずつ交互に吸引を繰り返す。15分程度処置を続けたらポンプの使用を中止する。患部にX印の跡をつけたり、口で毒液を吸い出そうとしない。効果がないばかりか、患部を悪化させる可能性がある。毒液を吸い出した人の口の中に傷があれば、そこから毒素が侵入する恐れがある。

*処置後は速やかに医師の診断を受けるようにしましょう。

使用上の注意

・まぶたや唇、生殖器など皮膚が薄い部位では使用しない。

・エクストラクターポンプ本体は絶対に水に濡らさない。内部に水がたまると十分な真空状態を保てなくなる。落としたりすると亀裂が生じて、真空状態を作れなくなる。

・吸引後、ピストンレバーを引き下げずにポンプを無理に離そうとすると、外れた衝撃で吸引カップに溜まった毒液が飛び散る場合がある。必ず、ピストンを引き下げて、真空状態を解除する事。

・火を近づけると熱により変形し破損する恐れがある。

清掃方法

・吸引カップは石鹸などでよく洗浄しアルコールで消毒する。また、樹脂が溶けて変形する恐れがあるので、熱湯にはつけない。

・ポンプ本体は、柔らかい布等で汚れを拭き取るようにする。水には濡らさない。

ポイズンリムーバーを色々調べてみると、使い回し禁止のものもあります。購入された商品の取り扱い説明書をよく読んでください。

個人的にそこそこの値段のものを購入したので、使い回しできるのはありがたいです。

しかし、使用後の洗浄と消毒は徹底して行いたいと思います。

吸引力がすごい!

体内に入った毒液や毒針を吸引できるという事で、どれくらいのものか実際に吸引してみました。

ちょっとびっくりしました。

ピストンを押し込んで最後にカチッと音がしたとたんに結構な力で真空状態になりました。

少し痛いかな?というくらいの強さなので、これなら体内の毒液や毒針も吸引するには十分だと思います。

真空状態の皮膚の色が違うのがわかると思います。

1分もしないうちに外したのですが、くっきり跡がついてしまいました。

なかなかの吸引力です。

数あるポイズンリムーバーの中から、エクストラクターポンプキットを選んだ理由

ポイズンリムーバーの必要性を感じてから、ネットなどで色々なポイズンリムーバーの製品情報などを調べてみました。

簡易的なものから、本格的なものまで色々ありました。

その中で、私が重視した点が4点あります。

①取り扱いしやすい事・・・患部に本体を当てて、ピストンを押すだけの片手で扱える。

②吸引カップが数種類セットされている・・・4種類の吸引カップから、傷口に適した大きさの吸引カップが選べる。

③洗浄、消毒すれば繰り返し使用できる・・・中には1回の使用で廃棄しなければいけないものもある。

④手に入りやすい・・・登山用品店で手に入る。amazonなどのネットショッピングでも購入できる。

以上の点でエクストらクターポンプキットを購入しました。

まとめ

蜂やアブ、蛇などの毒をもつ生物の被害にあった時は、素早い対応で症状が軽減できます。

登山だけでなく、キャンプや釣りなど、野外で活動している限り、毒をもつ生物からの被害を受ける可能性はあります。

自分のためにも、同行者のためにも、ポイズンリムーバーを用意してみませんか?

あるのとないのとでは後々の症状に違いが出ます。

洗浄、消毒すれば繰り返し使用できるのは、本当にありがたいです。

なんせ、登山に行くと必ず刺される人がいるもので、その度に使用して廃棄していてはお財布が・・・

ポイズンリムーバーは事後対策なので、被害を受けないための対策も必要です。

被害を受けない対策として、ハッカ油スプレーで3ヶ月間効果を試して見たので、こちらの記事も合わせてご覧ください

アブ・ブヨに噛まれないための対策は簡単に自作できるハッカ油スプレー!

備えあれば憂いなし、大事な自分のために、大事な人のために、キャンプや登山や釣りなどの持ち物リストに加えてみてはどうでしょうか?