蓼科山や八ヶ岳連峰を望みながら、広大な高原をトレッキング。体力に自信がなくても楽しめる周遊コースをご紹介!
遅目の夏季休暇を利用して、長野県へ登山旅行に行ってきました。今回は、登山初心者でも気軽に楽しめる山として、紹介されていた霧ヶ峰をトレッキングしてきました。
アクセス情報と登山中の様子を、写真と共にお伝えしたいと思います。
目次
霧ヶ峰とは?
霧ヶ峰は長野県茅野市、諏訪市、下諏訪町、長和町にまたがる火山です。最高峰は車山(標高:1,925m)で、車山高原という別名もあります。
日本百名山に選定されており、グライダー発祥の地としても有名。エアコンの名前もこの霧ヶ峰が由来で、夏でも冷涼な気候がイメージとぴったりだったことから名付けられたようです。
隣接する山には、蓼科山があり、すぐ近くには白樺湖があります。高原内を走るビーナスラインは美しい景色を見ながらのドライブが楽しめます。
霧ヶ峰へのアクセス
[車の場合]中央自動車道諏訪I.Cから国道152号線で白樺湖へ。白樺湖からビーナスラインで車山高原へ(諏訪I.Cよりおよそ45分)
無料駐車場が車山肩という場所にあります。およそ200台。
[電車・バスの場合]JR茅野駅より、アルピコ交通、茅野駅〜車山高原〜日赤病院線(車山高原行)利用でおよそ1時間。
関西から長野へのアクセス方法と所要時間、料金をまとめた記事がありますので、参考にしてください。下記にリンクを貼っておきます。
車山高原行の路線バスの車内。美しい景色を見ることができる。
車窓より、美しい景色を見ながら揺られていると、時折八ヶ岳連峰が見え、そのスケールの大きさに感動。白樺湖も見ることができ、あっという間に車山高原に到着します。
今回オススメする登山コース
今回オススメする登山コースは、高低差およそ300mなので、登山を初めて間もない人や体力に自信がない人、子供やお年寄りでも楽しめるコースです。(但し、トレッキングブーツ、登山に適した服装で!)
登山のスタート地点は「車山肩」がオススメで、駐車場や売店、自動販売機、トイレがあるので、準備しやすく便利です。この車山肩から霧ヶ峰の最高峰車山山頂までは、1時間もかからずに登ることができます。多くの観光客は山頂へ向かいますが、今回のコースは、霧ヶ峰(車山高原)をぐるっと1週する周遊コースで、秋の霧ヶ峰をゆっくりと楽しみます。
注意が必要なのは、土日や祝日、特定日に運行される茅野発車山高原行の7時45分発のバスは車山高原止まりなので、車山高原から車山肩までバス停一つ分歩くか、タクシーを利用します。(バス停1つ分とはいえ、6kmほど歩くのでご注意を、私は準備運動にちょうどよかったです。)
車山高原から車山山頂に登り、そのまま周遊コースを歩いてもいいと思いますが、ご褒美は一番最後に残して置くために、今回は車山高原〜車山肩まで、ビーナスラインを歩くことにしました。
車山高原のバス停です。左に行くと車山肩方面。
周りの山々を見ながら、勾配のゆるいビーナスラインを歩きます。見えてるのは蓼科山。
景色は最高なんだけど、車やバイクが多くてエンジン音がすごい・・・気をつけて歩いてください。
1時間ほどで車山肩に到着。
車山高原バス停から1時間ほどで、車山肩に到着。今回オススメする霧ヶ峰周遊コースの出発地点となります。売店、自販機、トイレがありますので準備を整えましょう。
霧ヶ峰周遊コースをトレッキング
[霧ヶ峰周遊コース]
・車山肩→沢渡→八島ヶ原湿原→鎌ヶ池→物見岩→蝶々深山→車山乗越→車山高原リフト山頂駅→霧ヶ峰(車山山頂)→車山肩
大まかなコース内容ですが、登山道の案内もわかりやすく、迷うことはないと思いますが、念のため、登山アプリなどで地図とルートをダウンロードしておきましょう。
私はヤマレコMAPを使っています。無料で使えますし、ログも取れて便利です。色々な親切な方が、わかりやすいルートを教えてくれているので、非常に勉強になります。
車山肩からスタート
では、車山肩から出発します。写真は車山肩から車山山頂方面です。今回は、山頂は最後のお楽しみに取って置き、こちらとは反対の八島ヶ原湿原を目指してくだります。
こちらが、車山肩から八島ヶ原湿原方面の眺望です。写真中央付近の茶色いところが八島ヶ原湿原です。長いくだりが続きます。
御射山遺跡
途中、沢渡という場所を経由して八島ヶ原湿原の看板通りに進むと、御射山遺跡(みさやま)があります。鎌倉時代に、鎌倉武士がこの地に集まり神事をしたそうです。ここまでくると、八島ヶ原湿原はもう目の前です。
八島ヶ原湿原・鎌ヶ池
八島ヶ原湿原は周囲をぐるっと散策できるようになっており、上の写真は鎌ヶ池から霧ヶ峰方面の景色です。正面の山の上に建造物がある山が霧ヶ峰(車山山頂)です。湿原はすっかり秋の色です。
八島ヶ原湿原の周囲の遊歩道は、自然を踏み荒らしてしまわないように、木の板で作られており、歩きやすいですが狭く、対向から人が来た場合は譲り合ってすれ違う必要があります。
鎌ヶ池からの眺めを、もう一枚。この八島ヶ原湿原は上から見ると”ハート形”をしており、”恋人の聖地”に選定されています。石碑があるのですが、ビーナスラインからもすぐにアクセスできるため、人が多かったです。
八島ヶ原湿原は標高約1,632m。ここから霧ヶ峰(車山山頂)までおよそ300m登りが続きますが、勾配は比較的緩やかです。
物見岩
八島ヶ原湿原から緩やかな登りを、およそ40分ほど登ると物見岩に到着します。
上の写真は、物見岩から八島ヶ原湿原を望んだもので、ここは少し広いスペースに岩があり、その岩を椅子がわりにして何人かの方が休憩や食事をとられていました。
混雑していなかったため、私もこちらでコンビニおにぎりをいただきます。
ちょうど、八島ヶ原湿原と霧ヶ峰の中間あたりにある、物見岩は小高い丘のようになっていて、景色を楽しみながら食事をすることができました。先ほどの八島ヶ原湿原もバッチリ見ることができます。
少しゆっくりして、先に進みます。
蝶々深山
物見岩から20分ほどで、蝶々深山(ちょうちょうみやま)山頂に到着です。標高は1,836m。
蝶々深山まで来たら、霧ヶ峰は目の前です。ここまでは緩やかな勾配を登って来ましたが、ここから先は、一旦くだって、霧ヶ峰を登ります。上の写真の左側に登山道が見えるように、左側から回り込むような感じで霧ヶ峰に登ります。
少し勾配がきつくなり、息が上がるほどの急登になるため、こちらで休憩をとり、ストレッチなどで備えておくと良いです。
蝶々深山を下がりきったところに、沢渡への分岐があります。ここからは霧ヶ峰の麓まで緩やかに登り、その先の急登へ続きます。ここも紅葉が綺麗です。
いよいよ霧ヶ峰(車山山頂)へ
先ほどの登山道を霧ヶ峰の左側に回り込んだところです。ここから山頂まで急登になります。登山に慣れている人なら、そこまできつくないと思いますが、登山初心者の方や体力に自信のない方には少しきつい登りとなりますが、山頂まではもうすぐ。頑張りましょう。
山の上に見えるのが、車山高原リフト山頂駅です。リフトでも登ることができますが、ぜひ自分の足でチャレンジして頂きたいです。
途中でキツくてしんどくなったら、立ち止まって、後ろを振り返って見ましょう。蓼科山と白樺湖が応援してくれていますよ。山頂はもうすぐです。
山頂駅から少し登ると、車山神社があります。はい、お疲れ様です。霧ヶ峰(車山山頂)に到着です。
「天空の社」と呼ばれ、たくさんの方がお参りされていました。
山の上に見えていた建造物の正体は、気象レーダーの観測所です。
観測所のすぐ横に山頂の看板もありますので、記念撮影お忘れなく。
山頂は360°パノラマビューで、たくさんの山々を見ることができます。雲が多めで今回、あまり景色はよくなかったのですが、山頂からの眺めをお楽しみください。
車山肩を出発した時は天気もよかったのですが、山頂に着くと曇ってしまいました。それでもスケールの大きな大自然の景色を見ることができて感動。
今までゆっくりと楽しんで歩いた登山道、八島ヶ原湿原、物見岩、蝶々深山も望むことができ、満足感に浸ります。
周りの山々の高さも地元大阪の山の高さの何倍?ってほどの高さ。信州長野はすごい・・・
出発地点の車山肩へ
山頂で景色を堪能したあとは、ゆっくりゆっくりクールダウンを兼ねて、出発地点の車山肩へくだります。
広大な高原にくねくねのビーナスライン。気持ちよさそうに走るバイクがたくさん。ただ、エンジン音が少しうるさいけど、気にしない。
車山肩から登ってくる一般客と挨拶をかわしながら、急登で刺激が入ったふくらはぎを軽くストレッチしながら軽快にくだります。
無事、車山肩に戻って来ました。お疲れ様です。このコースはおよそ10km。ゆっくり写真を撮りながらまわって、5時間43分の山行でした。
霧ヶ峰を訪れて・・・
今回霧ヶ峰を選んだ理由は、色々と情報収集しているうちにたどりついた、綺麗な山岳写真がたくさん掲載されている山写さんのブログ、「登山と写真で仕事をしている人。」の中で、「登山初心者にオススメしたい霧ヶ峰と八島湿原周遊コース」という記事を読んで、登山に初めて行く長野だったので、いきなり高標高の山に向かうより、霧ヶ峰のような高原トレッキングを楽しむのもいいなと思ったからでした。
霧ヶ峰(車山山頂)は360°のパノラマビューで、周りの山々を見ることができ(今回は曇りで見えませんでしたが・・・)初めての湿原を見ることもできたので、非常に満足です。日本百名山に選定された山だけあり、みどころと景色は素晴らしいです。
写真でコースの説明をした通り、登山初心者や体力に自信のない人、子供からお年寄りまで、安全に楽しめる周遊コースでした。
車やバスで高原までアクセスすることができ、何かアクシデントがあって登山を中止せざるを得ない場合も、車山高原、車山肩、八島湿原にバス停があるので、非常に安心です。
車山肩に無料の駐車場があり、売店、トイレ、自販機があるのもありがたい。水切れになる心配もありません。
バスで来た場合は、バスの時間に合わせて予定を組むことができます。
[車山肩バス停時刻表:上諏訪駅行]
・10時22分 ・13時40分 ・14時50分 ・16時05分
天気は下り坂で、周りの山々をあまり見ることができませんでしたが、終始「蓼科山」だけは綺麗な姿を見せてくれました。
いつか、この山にも挑戦したいと思いました。
さて、今回は初心者でも楽しめる山として、霧ヶ峰周遊コースをご紹介しました。素晴らしい周遊コースです。是非訪れてみてください。