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ダウンクリーナーで自宅で簡単にダウンジャケットを洗えるのか検証してみました。

本当に自分でダウンジャケットの手洗いができるの?

今年は春になっても寒い時期が続き、ダウンジャケットをクリーニングに出す機会を失ってしまいました。(クリーニング店の安くなる期間がありますよね。)春が来て暖かくなっても、登山で標高の高い山に登ると、山頂の気温が氷点下になることもあり手放すことのできない必須アイテムの一つだと思います。

通常時期にダウンジャケットをクリーニングに出すと、およそ3,000円ほどかかります。ちょっと高いなぁ・・・というのが私の本音。かといって汚れたままで秋まで保管するわけにもいきません。

そんな時にふと、家で洗濯できるダウン製品用の洗剤がモンベルで販売されていることを思い出し、早速手に入れて実際に使ってみました。その結果、汚れやニオイが綺麗に落ち。大幅なクリーニング代の節約になりました!洗濯の手順や気をつけた事、気付いたことをまとめてみましたので、ご覧ください。

そもそも、なぜダウンジャケットを洗濯機で洗ってはいけないの?

なぜ洗濯機でダウンジャケットを洗濯してはいけないのかご存知ですか?

中には、洗濯機で洗ってもOKなダウンジャケットもあるようですが、ほとんどのダウンジャケットが洗濯機で洗うことを推奨していません。その理由とは・・・

・ダウンジャケットが水に浮いて、きちんと洗うことができない恐れがあるため。

・洗濯機でダウンジャケットを洗うと、羽毛の細かい繊維が傷ついて、保温力が低下する恐れがあるため。

・洗濯機でダウンジャケットを洗うと、中の羽毛がくっついてしまいダマになりやすく、そのままの状態で干してしまうと、羽毛が重なったままで膨らまず、弾力がなくなってしまう恐れがあるため。

以上の理由のため、ダウンジャケットを洗濯機で洗うことは推奨されていません。洗濯機を使わないとなると、手洗いをする必要がありますし、その後の乾燥にも気を使わなくてはいけないので、その手間を省くためにクリーニング屋さんを利用するのは普通のことかもしれません。

でも、ちょっとクリーニング代が高いなぁ・・・と感じる方や、秋から春までのダウンジャケットを必要とするシーズンに登山を楽しむ回数が多い方に、次の項目でご紹介するクリーナーと洗濯方法を試していただきたいと思います。

ダウンジャケットを必要とするシーズンでも、汚れたらこまめに洗うことができるので良いコンディションで使用することができますよ。

今回ダウンジャケットの手洗いに使用した洗剤

今回はモンベルのダウンクリーナーを使用して、ダウンジャケットの手洗いをします。簡単に製品の説明をしておきます。

こちらのダウンクリーナー、その名の通り「ダウン製品用洗濯洗剤」です。使用して得られる効果は・・・

*汗・皮脂汚れをしっかり落とすことで保温力を回復。

*ダウンのロフトの回復が期待できる。

*常温水でしっかり洗える。

*高機能素材の性能が長持ち。

*撥水剤が効果的に塗布できる下地を作る。

以上の効果が期待できます。まさしく登山やアウトドアスポーツのダウン製品に適した洗濯洗剤ですね。

液性は中性で200ml(一般的なダウンウエア13着分)の十分な量が入っています。クリーニング代を考えるとかなりお得ですよね?これなら、ダウンジャケットが必要なシーズンでも、汚れたら気軽に洗えるのでコストパフォーマンスも高く、いつでも清潔なダウンジャケットを着用できますね。

一般的な洗濯洗剤でも洗うことはできるのでしょうが、汗や皮脂汚れをしっかり落とし、ダウンのロフトの回復が見込めるなど、専用の洗濯洗剤を使うメリットは十分にあると思います。

また、スリーピングバッグ(シュラフ・寝袋)にも使えることができます。まさにアウトドアマンには嬉しいダウン製品専用の洗濯洗剤です。

ダウンジャケット手洗い手順

では、実際にダウンクリーナーを使用して、ダウンジャケットの手洗いをしましたので、その手順をご紹介します。

①汚れのひどい部分は部分洗いをしておく。

ボトルから直接洗剤を塗布すると、ドバッと出てしまいそうなので、水を含んだスポンジに洗剤をつけてからダウンジャケットの汚れのひどい所を部分洗いしました。

位置は胸の下あたり。多分ラーメンの汁が飛んで汚れたのではないかと思います・・・

ゴシゴシこすらずに、薄く優しく洗っておきます。そのほかにも汚れているところがないか確認します。特に首回りや袖口は皮脂汚れが多いので、水で薄めた洗剤をあらかじめ塗布しておくと良いと思います。

あと、各ポケットの中にものが入っていないか確認をしておきましょう!

②洗い桶の準備。

我が家には大きな洗い桶がないので、浴槽で洗うことにしました。ぬるま湯を浴槽に貯め、そこにダウンクリーナーを入れてよくかき混ぜます。

使う洗剤の量の目安は、ダウンジャケット1着あたり水15Lで、それに対して洗剤はキャップ2杯(15ml)です。スリーピングバッグの場合は1枚あたり水72L、洗剤はキャップ10杯(75ml)です。

③ダウンジャケットを優しく押し洗いする。

洗剤をぬるま湯に入れしっかり混ぜたら、ダウンジャケットを投入し優しく押し洗いしていきます。水に入れてもダウンジャケットが浮いてしまうのでしっかり水の中に沈めて押し洗いします。

ジッパーも開けて内側もしっかり押し洗いします。強く押し洗いしたり、ひねったり、揉んだりすると、中の羽毛が傷んでしまうので必ず優しく押し洗いしてください。

今年ダウンジャケットを買い換えたばかりなので、そんなに汚れてないだろうと思ってましたが、結構水が濁ってました・・・優しく押し洗いしているだけなのに、しっかり汚れは落ちてそうです。

④しっかりすすぐ。

ある程度押し洗いしたら、水を入れ替えてすすぎをしていきます。すすぎも押し洗いと同じ要領でしっかりすすいで洗剤をすすぎます。

イメージとしては、ダウンジャケットの水分を押し出して、綺麗な水を吸わせて、また押し出す。これを濁った水が出なくなるまで続ける感じです。

先ほどの押し洗いで、思った以上に洗剤水を含んでいます。濁った水が出なくなるまで何度も優しくすすぎます。直接シャワーの水をあてながら押し洗いをすると、洗剤の泡が出やすかったです。

⑥洗濯機で短時間の脱水する。

洗濯機のドラムに沿うように、ジッパーを開けたままダウンジャケット入れて、短時間の脱水を行います。

⑦乾燥させる。

乾燥機で乾燥させます。この時に注意が必要なのが乾燥温度です。お使いのダウンジャケットの表示を確認して、指定の温度で乾燥させてください。

我が家には乾燥機がないので、風乾燥モード(熱くない)で2時間ほど乾燥させました。乾燥機を使って低温で乾燥させる方が、自然乾燥よりも羽毛の偏りがなく、ふっくら仕上がるようです。

その後、風通しの良い日陰に干して乾燥させます。上の写真でもわかる通り、羽毛がかなり小さくなっています。あれだけふっくらしていたダウンジャケットがペランペランに薄くなっていたので、心配になりましたが、時間が経って乾いていくにつれ元の通りにふっくらしてきて安心しました。

濡れた羽毛が小さくなり、偏っているので乾かしながらダウンジャケットを振って偏りを無くしました。この点では、近くにコインランドリーがある方は、乾燥機で低温で短時間の乾燥を行った方が、羽毛が均等になりふっくらとした仕上がりが期待できそうです。

屋外の風通しの良い日陰である程度乾燥させますが、完全に中の羽毛が乾いてふっくらするのには数日かかるそうです。室内にハンガーで吊るしておきます。私の場合、登山ウエアをリビングのオブジェ的な感じに飾っているので、眺めているだけでニヤけてしまいます。このまま完全に乾かせば完了。以上がダウンクリーナーを使った手洗いの手順です。

汚れは落ちた?臭いは?実際に洗ってみた感想

数日後のふっくらとしたダウンジャケットです。部分洗いをした汚れが目立っていたところも、えりやそでの汚れもキレイに落ちて、嫌なニオイもなく気持ちよく着れる状態となりました。

週末に登山から帰宅し、手洗いをして干しておけば次の週末には、キレイなダウンジャケットを着用することができますね。

実際に洗ってみましたが、手順も汚れのひどいところを部分洗い→ダウンジャケット全体を押し洗い→すすぎ→乾燥なので特に難しいことはありません。ただ、すすぎは念入りにしっかりしたので疲れました。洗剤が残ったまま乾燥すると、羽毛が傷んでしまい本来の保温力が発揮できない可能性があるので、しっかりとすすいでおきましょう。

今回、乾燥は自宅の洗濯機の風乾燥モードを利用しておよそ2時間ほど乾燥させましたが、あまり効果がありませんでした。次回ダウンジャケットの手洗いをするときは、近所のコインランドリーの乾燥機で低温の乾燥を試してみたいと思います。

干している間、羽毛の偏りが気になったので、定期的に振ったり揺すったりして、なるべく羽毛が偏らないようにしました。完全に乾燥した今ではふっくらとボリュームも出ていい感じです。

ダウンクリーナーは、1回分の使用量も少ないのに、汚れとニオイがしっかり落ちていたことにびっくりしました。先ほどの通りダウンのボリュームも出ていたので、ダウンのロフトの回復効果も実感できました。さすがダウン専用の洗濯洗剤。購入してよかった!というのが素直な感想です。

こまめにダウンジャケットを洗いたい方にすごくおすすめです。

まとめ

今回は、モンベルのダウンクリーナーを使って、実際に自宅でダウンジャケットの手洗いに挑戦した模様をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

このダウンクリーナーを使用すると、手順も難しくなく、他の衣類と同じような手洗い方法でダウンジャケットを洗うことができました。しっかり汚れやニオイも落ちて、ダウンもふっくらとした仕上がりになり非常に満足です。

少し注意したいことなどを簡単におさらいしてこの記事を締めたいと思います。

[まず、ダウン専用洗濯洗剤「ダウンクリーナー」を使用することで、期待できる効果は・・・]

*汗・皮脂汚れをしっかり落とすことで保温力を回復。

*ダウンのロフトの回復が期待できる。

*常温水でしっかり洗える。

*高機能素材の性能が長持ち。

*撥水剤が効果的に塗布できる下地を作る。

以上の効果が期待でき、クリーニング屋さんにクリーニングにだす費用よりもグーンと安くキレイにすることができました。

[このダウンクリーナーを使って、実際に手洗いをしてみての感想や注意したい点]

・手洗いとすすぐ時は、やさしく押し洗いをすること。揉んだりねじったりすると、羽毛が傷んでしまいます。やさしく押し洗いをしているだけで、しっかり汚れやニオイが落ちていることが実感できました。

・すすぎはしっかりと。洗剤成分が羽毛に残ったまま乾かしてしまうと、保温効果が下がってしまう恐れがあるため、やさしく押し洗いをして水のにごりがなくなるまで念入りにすすぎます。これが結構大変でした。

・脱水後の乾燥は、できれば乾燥機で低温で短時間乾燥させてから、風通しの良い日陰に干した方が良い。今回は、風乾燥という自宅の洗濯機の機能を使いましたがいまいちで、干しながらダウンジャケットを揺すったりして、中の羽毛の偏りをなくす作業が必要になりました。ここを近所のコインランドリーのドラム式乾燥機の低温で乾燥させれば、羽毛の偏りが解消され、ふっくらとした仕上がりになるそうです。次回は乾燥機を利用しようと思います。

・完全に乾燥するまで、数日間干しておく事が必要。洗ってすぐ使うことはできないので、次の山行まで1週間くらい空いた期間にクリーニングするのがいいと思います。

以上がダウンクリーナーを使って、実際に自宅でダウンジャケットを手洗いした感想と注意したい点です。ダウン専用の洗濯洗剤ということで安心して使うことができ、汚れやニオイがしっかり落ちていることが実感できました。このクリーナーなら、簡単に費用もあまりかからずにダウンジャケットをクリーニングできることがわかり非常に満足しています。

クリーニングのコストを下げたい方、ダウンジャケットを使用する機会が多い方にオススメしたいダウンクリーナーです。手間はかかりますが、ダウンジャケットを清潔に良いコンディションで使うことができますよ。ぜひ試してみてください。

ナオ
ナオ
ダウン専用のクリーナーを使うことで、普段着の手洗い方法と同じ手順でダウンジャケットを洗うことが可能に。洗い上がりのダウンがちっちゃくてジャケットがペラペラになった時は、少し心配になりましたが、乾いてくるにつれふっくらしてきたのでホッとしました(笑)
これで汚れたらすぐに洗って、清潔なダウンジャケットをいつでも使えると思うと非常に嬉しいです。
カップ麺の汁汚れもOKです!!!