標高の高い山だけが登山ではない、標高が低くても色々な自然の恵みを見せてくれる槇尾山
標高の高い山に登った時の、過程や景色は、登った者にとって満足感を与えてくれる。やはり高い山に登ると景色も異次元で、普段見ることのない素晴らしい景色を見せてくれるし、そこまで自分は登ったのだという達成感も得る事ができる。そう考えると低山なんて、すぐ登頂できるし、標高も低くいため、景色もそんなによくなくて物足りないと思ってしまうが、実はそうではない。
低山と言えど山は山。色々な顔を持っている。色々な自然を見せてくれたり、景色も見せてくれる。何も、高いところから見下ろすだけが登山ではない。この前登った山が綺麗に見える場所があれば、その時を思い出し、ゆっくりと眺めていたくなる。低山だからこそ、焦って登るのではなく、時間に余裕を持った楽しみ方ができる。
今回は標高600mの槇尾山で素敵な自然と景色に出会ってきました。いつものように登山記も交えてお伝えしたいと思います。
槇尾山とは?
槇尾山(まきおさん)とは大阪府和泉市まき槇尾山町にある、標高600mの山で行基・空海ゆかりの古い寺があり、参拝登山の多い霊峰です。山系は和泉山脈で、屯鶴峯(どんづるぼう)を出発点とする、ダイヤモンドトレールの終着点にあります。この槇尾山のハイキングコースは和泉市側と河内長野市側にもあり、今回は和泉市側から登ってみました
槇尾山アクセス・・・南海泉大津駅・JR和泉府中駅・泉北高速鉄道泉中央駅より南海バス利用で槙尾中学校下車で「オレンジバス」乗り換えで槇尾山下車。「オレンジバス」料金:大人300円小人150円→オレンジバス時刻表はこちら。 (リンク先のPDFをクリックしてご確認ください)車では、槇尾山グリーンランドをナビにセットしてください。和泉市槇尾山町1-21です。無料駐車場があります。
槇尾山登山の様子
実際に登山してきましたので、画像とともに紹介して行きます。
槇尾山グリーンランドを少しすぎたところに、青少年の家グリーンランドの無料駐車場があります。
結構広いので、急に思い立って来ても大丈夫なくらいのキャパはありそうです。今回はこちらの駐車場をお借りしました。
駐車場を出て道路を上がっていくと左手に「金剛生駒紀泉国定公園」の石碑があります。
すぐ隣には付近の地図もありました。
先ほどの駐車場からすぐ上がったところにも、何台か駐車するスペースがありますが、こちらはすでにいっぱいでした。
登山口にある綺麗なトイレです。駐車場から登山口まで5分もかからないくらいで到着です。
ハイキングコースの見取り図です。今回は根来谷コースで五つ辻を目指し、そこから槇尾山山頂を目指します。
こちらが登山口です。準備を整えて出発します。
幅のある緩やかな登山道です。序盤は林の中を通ります。
すぐ横に沢があり、水はとても綺麗です。
少し高度が上がると、道幅は狭くなり登山道では珍しい石の階段を登ります。木で作られた階段ばかり登ったので、少し新鮮ですね。
登山道脇に積み上げられた石が、なんだか可愛くてパシャり・・・
案内もわかりやすく五つ辻を目指します。
うっすら雪も積もっています。今年は冷えますね。
40分ほどで五つ辻に到着です。ここまでは急な勾配もなく歩きやすい登山道で快適です。五つ辻からは桧原の分岐方面に進みます。
分岐からすぐの場所で、注意しなければいけない箇所があります。人一人しか通れない場所があります。ロープを掴み、慎重に進みました。
その危険箇所をすぎてすぐに大阪湾を一望できる休憩場所を見つけたのですが、上からの団体客の休憩と重なり、場所を空けることに・・・撮影はできませんでした・・・
五つ辻からは勾配もあまりなく、快適な散策となります。
雪はうっすらですが、踏み固められているため、転倒防止のためにチェーンスパイクを着用することにしました。
ところどころベンチがあり、ザックをおろしてリフレッシュ。チェーンスパイクをはめていると・・・
若い男性とミニチュアダックスが先を急いで行きました。わんちゃんは生き生きとしていたのが、印象的でした。
また、分岐地点。槇尾山に向かいます。
進んでいると、南側の斜面に出て景色が広がりました。前に登った岩湧山が見えます!岩湧山登山の記事もよければお読みください→こちら。
槇尾山山頂への道がわかりにくく、少し進んで見ました。
少し登山道から外れたところにフラットな場所を見つけました。ここからの周辺の山々の眺望が素晴らしく・・・
この場所で、昼食と休憩を取ることにしました。
昼食後は、山頂への道への確認を怠り、全然違うところに出てしまいましたが、間違ったおかげで、岩湧山の見えるお気に入りの場所が見つかったのでよしとします。これも時間に追われないゆったり低山ハイキングのいいところ。
だいぶ下の方まで降りてしまい、ヤマレコMAPを確認して戻ることに・・・こまめに位置は確認しないといけないと思いました。
槇尾山山頂への道を見つけることができました。先行者の足跡もあり、確信を持ちましたが、先ほどの登山道みたいではなく木々の間を縫う感じで登ります。勾配はきつくありません。
いきなり岩が2つあらわれました。
これが、メタボ検査岩と呼ばれている岩です。
通過して振り返ってみましたが、かなり狭いですよ。私は余裕で通れましたが♪ちょっとしたアトラクションみたいで面白かったです♪
メタボ検査岩をすぎると槇尾山頂上です。石が積んであります。
木にネームプレートがあるだけの山頂だったので、山頂で昼食より、お気に入りの場所を見つけて、ゆっくり昼食をとれた方がかえってよかったと思いました。たまには迷ってみるのもいいものです。
一応、木々の間から景色が見れます。
曇っていますが、関西空港方面になります。少し寂しい山頂を後にします・・・
山頂から少し下ってすぐ、木々が途切れて開けたかと思うと、目の前に岩場があります。
結構な大きさの岩場です。
振り返ってみると、馬の背になっています。この岩場が「蔵岩」です。山頂よりも眺望が素晴らしいのでご覧ください。
和歌山方面、和泉山脈の山々。
大阪平野。ロッククライミングもできるみたいです。
金剛山方面。
河内長野方面。天気がイマイチなので残念ですが、ここに来れた事にまずは感謝です。正直、山頂が寂しすぎて物足りない感があったのですが、大満足でした。誰もいなかったので一人で「蔵岩」を堪能できてよかったです。次はここで握り飯を食おうと思いました。
蔵岩からは一気に下ります。
かなりの傾斜があるので、ロープを頼りに下ります。ゆっくり慎重に下りてください。
一気に下ると緩やかな登山道に変わります。逆ルートで行くとかなり汗をかきそうな登りだと思います。(挑戦してみようかな・・・)
途中で何者かの足跡が・・・何だろう・・・猪・・・?でもちっさいなぁ・・・
そんな足跡の妄想をしていると、槇尾山施福寺に到着です。
有名なお寺で、参拝の人がたくさんおられました。施福寺は天台宗の仏教寺院で、私は山頂から来たのでだいぶ下って来たのですが、この施福寺も槇尾山の山腹に位置しており、標高は472mあります。
施福寺の展望台からも岩湧山を見る事ができます。
私もなんちゃって登山家ですので、足の守りはありがたいです。こちらにも顔を出せた事に感謝して下山します。
長〜い石段をみなさん頑張って登って来ます。足腰も丈夫になりますね。
弘法大師が剃髪された場所があります。空海は20歳の時に槇尾山寺において出家剃髪をし、沙弥戒を受けたとされています。
長い長い石段は続き・・・
立派な山門がありました。ここまでくるとゴールの駐車場はもうまもなく。
施福寺の参道は趣のあり、苔好きの私は足を止めてカメラを向ける。道草を食うのも楽しいです。
無事に下山完了しました。お疲れ様でした。体力的にもキツくなく、ゆっくり楽しめたハイキングとなりました♪
今回のコースと高低表です。何箇所か間違いましたが、それも結果オーライでよかったと思います。こまめに位置確認をしないといけないことは、勉強になりました。
今回の山めしは?
たっぷり野菜ときのこのわさび塩ラーメンです。
作り方は簡単で、きのこ→野菜の順に茹でて、その中に麺を入れて茹でます。その後、スープを入れたのちにわさびを適量入れただけです。
自宅でゆで卵を作って持って来たのを添えて出来上がりです♪味はさっぱりした塩味の後からわさびのツーンとした風味が鼻に抜けます。登山でのラーメンは汁を捨てる事ができないので、飲み干すのですが、わさびを入れた事で飲みやすくなりました。一度お試しください。野菜もきのこも美味しかったですよ♪
今回はゆっくり、まったり過ごしますので、食後のコーヒーも楽しんで来ました。
ゆっくりドリップしていただきます。
自然の中で飲むコーヒーはやっぱり格別です♪最近の登山はなかなかコーヒータイムまでゆっくりす事がなかったので、改めてこの時間の大切さを思い出しました。
昼食もコーヒータイムも登山道から少し離れた静かな場所で、岩湧山を眺めながらゆったりとできて、この場所がお気に入りの場所となりました♪
槙尾山まとめ
登山記録をお読み頂くとわかると思いますが、たくさんの写真があったと思います。それほど心に響く風景が多かったように思います。始めに書いた、山は標高の高い山が全てではなく、槇尾山のような標高600mほどの大阪市内からもアクセスしやすい山でも、たくさんの自然や景色を我々に見せてくれます。
近場だからこそ、ゆったりとした登山計画を立て、自然を楽しみ、歴史を感じてみるのも良いと思います。いつもいつも思うのですが、非常に綺麗に安全に整備された登山道を作られた方や整備された方にしっかり感謝したいと思います。素敵で安全な登山道のおかげで安心して、自然と触れ合えるのですから。
マナーや他の登山客の事も考えた行動も大切です。静かな山を楽しんでいる時に、多人数の団体登山客がワイワイガヤガヤとやってくると、少し引いてしまいます。細い登山道の場合は、お互いに譲り合いして安全に楽しみたいと思いました。
古き山寺があり、多くの登山客に愛されている槇尾山ですが、山頂や蔵岩などの見所もたくさんあり、少し狭いところはありますが、概ね良好な登山道でゆっくり楽しめる山です。駐車場もあり、気軽に行けて標高もそれほど高くないので、ぜひ訪れてください。
次に読みたい、大阪の低山の記事
この記事にも出てきた、槇尾山の隣にそびえる岩湧山の登山情報についてまとめた記事がおすすめです。秋には山頂が一面ススキで黄金色になる美しい山です。