明神平でテント泊登山にチャレンジしてきました!
登山を楽しむようになり、いつかは登山でもテント泊をしてゆっくりと山旅を楽しみたいと、ぼんやり思っていましたが、最近そのテント泊登山をしたい!という欲求が強くなり・・・
早速、登山用テントを購入し、どこでテント泊登山をデビューをしようかと、色々調べていると前に読んだ「関西ハイキング」の本に草原でテントを張って、気持ち良さそうにストレッチをしている記事を思い出した。
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2016年版と少し古いが、この本を購入し読んだ時もこのページを見て、いつかは私もテント泊登山をという気持ちになった。それを3年後に思い出すなんて、きっとテント泊登山デビューの地にふさわしいのではないか?と思い今回の目的地を決定。
その場所は「明神平」。
この記事ではテント泊登山初心者が明神平でテント泊をした様子や、明神平や周りの山の情報、登山口までのアクセスなどをまとめています。
天気にも恵まれ、素晴らしい山旅となりました。近畿圏で、私みたいにテント泊登山をしてみたい方には超おすすめの場所です。
明神平とはどういうところ?
明神平(みょうじんだいら)は奈良県と三重県をまたぐ、台高山脈にあります。(下の地図では「天王寺高校 あしび山荘」と表示されていますが、このあしび山荘があるところが明神平です。)
明神平の標高は1,323mで台高山脈の北側に位置し、周辺の山々への起点となるような場所。台高山脈といえば、山脈の両端にある「大台ケ原山」と「高見山」からそれぞれ1字ずつとって名付けられた山脈です。
この「高見山」は以前に訪れたことのある山で「関西のマッターホルン」との異名をもつ山。
大台ケ原山はまだ行ったことはないのですが、「日本百名山」に選定された有名な山でご存知の人も多いはず。今回の明神平は台高山脈でも北側にありこのエリアの拠点として、テント泊をする方も多いようです。
上の写真の中央の建物があしび山荘。明神平はふかふかの草原になっていて、テントを設営するスペースも広く、テント泊をする人が多いのも納得。初めてのテント泊登山でも安心できます。
また、テント泊で必要なのが「水」。明神平から歩いて5分ほどの所に水場があるので、非常に便利です。
真夏でも冷たい水で、乾いた喉を潤すことができるのは本当に贅沢。そのまま何もせずに飲みましたが、お腹をこわす事もなく大変美味しかった。
以上が明神平でテント泊をするのに適した点2つ。テント場が広く設営しやすいこと。水場が近くにあること。ほんと、テント泊登山のデビューにふさわしい所です。
さて、テント泊をすることで、時間にも余裕ができ行動範囲も広くなります。今回のテント泊登山では2つの山に登りました。その山について次の項目でお話ししたいと思います。
明神平をベースに今回登る山はどんな山?
明神平をベースとしてよく登られている主な山を、まずピックアップしておきます。
・国見山(くにみやま) 1,418.9m
・明神岳(みょうじんだけ) 1,432m
・桧塚奥峰(ひのきずかおくみね) 1,422m
・薊岳(あざみだけ) 1,406m
以上の4つの山が明神平周辺にある代表的な山です。今回、登山前の予定では登山口から明神平まで登り、テントを設営後明神岳を経て桧塚奥峰まで登り、引き返して明神平で1泊。翌日は薊岳に登り、明神平に引き返してテントを撤収。前日に明神平まで登ってきたルートで登山口まで下山する予定。
これが、前日の台風の影響により沢の水が大増量し登山口から明神平までの登山道で、いくつか激流の沢をロープ1本を頼りに渡る事に・・・テント泊のためザックの重量も重く大変でした・・・また、前をいく団体の登山グループがいたため、渋滞が発生し明神平の到着が遅くなってしまい現地で急遽予定を変更しました。
そんな想定外の出来事にも、落ち着いて予定を変更できたのは、テント泊のため時間に余裕があった事と、普段は上の地図は持ち歩かなく登山アプリでのルート確認をしますが、今回は地図を持って行っていたのでアプリと違い、視野が広くなり変更ルートが組みやすかった。
そして、この地図には色々な情報が書かれており、例であげると「眺望がいい」「ブナの自然林が美しい」などの登山道の情報や水場の位置などもわかりやすいので非常に便利。登山アプリと組み合わせて使うと道迷いのリスクも低くなりそうです。
テント設営後にゆっくり地図を見て考えた結果、1日目は明神平でゆっくりテント泊を楽しみ体を休めて、翌日の早起きし「国見山」へモーニングトレッキング。昨日明神平まで登ってきた激流の沢を渡りながらの下山は避けたいので、国見山から明神平へ戻ったらテントを撤収し「薊岳」へ。そのまま明神平へは戻らず「大又」という登山口へ下山。そこから車の停めてある駐車場へ林道を歩くことに。
ということで、今回は「国見山」と「薊岳」を明神平を拠点に登ります。
登山口へのアクセス方法
・自家用車でのアクセス・・・明神平へは「大又林道終点」という駐車場から続く林道が終わり本格的な登山道に変わる地点から登りますが、こちらの駐車場の手前の林道が倒木のため通行止めとなっていました。
結構大規模な倒木でしたので、復旧には少し時間がかかりそうですね。この林道を進んで行くと「大又林道終点」で、そこに広い無料駐車場があります。
倒木が処理されて通行が可能になると、こちらの駐車場が登山口に一番近いので便利です。今回は倒木で通行できなかったため、1枚目の写真の規制されていた場所に駐車場があったので、そちらを利用しました。
場所は、上の地図の「七滝八壺」の少し手前あたりに駐車場がありますので、ナビに設定すると迷うことなく駐車場まで来れます。
上の写真が、規制場所の手間にある駐車場です。こちらも無料で利用することができました。
ちなみに、先ほどの倒木を乗り越えて少し進むと・・・
ナビに設定した「七滝八壺」があります。平成の名水百選に認定されているんですね・・・
吊り橋と奥から段々の滝があり、増水していたせいかすごい迫力があります。一般の観光客の方もここを目指してくるのですが、倒木で断念されている方も・・・登山の服装なら越えれるのですが・・・
しかし、この林道のすぐ横を流れる「四郷川」はとてもキレイで美しい。川の近くまでおりれるところもあり、そこでBBQしている方もいたりして良いところです。
林道終点手前には公衆トイレもありますので、こちらで済ませておきましょう。明神平にトイレはありませんので・・・
・公共交通機関利用の場合・・・近鉄大阪線榛原駅下車、奈良交通バス「東吉野村役場前行き」を利用し、東吉野村役場からは「コミュニティバスふるさと号」を利用し「大又」で下車。
大又バス停近くの登山口にも登山届提出BOXがあり、この登山口から薊岳を経由して明神平へ行くこともできます。(今回のルートの逆走)下車した大又バス停より林道をさらに進むと七滝八壺を経て林道終点に到着します。
ただし、榛原駅からのバスの設定が平日のみとなっています。土日祝日に公共交通期間を利用される方は、榛原駅よりタクシーの利用となりそうです。
今回の登山ルート
今回の登山ルートについて説明します。
先ほどの「明神平をベースに今回登る山はどんな山?」でお話した通り、台風の翌日の山行のため沢が増水しており、予定していたルートを変更しました。変更後のコースをご紹介します。
上の地図のように、駐車場を起点として明神平で1泊し、国見山に立ち寄り、その後は薊岳に登り、ぐるっと回って駐車場に戻るというコースです。
[1日目]
・駐車場出発(平成滝百選 七滝八壺) 11:41
・大又林道終点駐車場 12:20
・大又林道終点 13:13
・明神谷
・明神平 15:19到着 (泊)
1日目終了 山行 3時間37分
1日目は当初の予定通りスタート。しかし沢の増水で前を行く団体さんがペースダウン。私もテント泊の重装備のために追い越して先に行くこともできずに、到着が15時過ぎになりテント設営して食事をとると夕方になるため、1日目は明神平までとしました。出発を早くすれば、テント設営して荷物を置いておけば(デポ)、近隣の山に軽装で登れるので、もう少し早い出発時間にすればよかったと後悔しました。
[2日目]
・明神平 6:41
・水無山 6:57
・ウシロ嵓 7:17
・国見山 7:27
・ウシロ嵓 7:35
・水無山 7:50
・明神平 8:06 (朝食・コーヒータイム・撤収作業)
・明神平 9:38
・前山 9:50
・薊岳(雄岳) 11:07
・薊岳(雌岳) 11:25
・小屋ノ尾頭 11:45
・大鏡池 12:06・古池辻 13:00
・笹野神社 13:55
・大又バス停 14:01
・駐車場 14:22
2日目終了 山行 5時間57分 休憩 1時間39分 合計 7時間36分
2日目は少し早起きして国見山へ早朝ハイキング。明神平に戻り朝食とコーヒータイムでゆっくりして撤収作業。薊岳に登り、そのまま大又バス停まで下山するルートです。
高低図です。上りは沢などの難所がありますが、勾配は緩やか。下りの登山道は綺麗に整備されており、歩きやすいイメージでしたが、勾配は上りよりきついです。明神平まで登ってしまえば、軽いアップダウンで周りの山々を巡ることができます。
テントを設営して荷物を置いて行けば(デポ)、荷物も軽くなり散歩感覚で山歩きが楽しめます。
次の項目では、実際の登山の様子を写真を交えてお伝えします。
登山のようす
こちらが林道終点となります。いよいよ本格的な登山道が始まる地点。
登山届BOXが設置されてますので、登山届を提出して進みます。
少し進むと、美しいポイントを見つけたので、ザックを下ろし三脚にカメラをセットして、しばし撮影に夢中になります・・・水量が多いのでなかなかの迫力。重たい三脚を持ってきたかいがありました。
序盤の登山道。重たいザックを背負ってもこれなら問題なさそうとニヤついて進むと、前をゆく団体さんに追いついてしまった・・・休憩かな?とのぞいて見ると・・・
ロープで増水した沢を渡らなければならなく、混雑していました・・・登山靴を濡らさないように狭い岩に足を置き、ロープでバランスをとりなが渡るのですが、重たいザックを背負ってそのように沢を渡ると、非常にバランスがとりにくく足を滑らせて逆に危険と判断。登山靴が濡れてしまいますが、沢の中に足をつっこみしっかり踏ん張れることを確認して渡りました。
木製の橋もこのありさま・・・明神谷で団体さんが食事を取られていたので、休憩をパスして先に進ませてもらいました。
明神谷から上は落ち着いたつづら折りの登山道。沢の水の音も少し静かになり落ち着いた雰囲気です。
つづら折りの登山道を抜けると広い草原が目に飛び込んできます。こちらが今回のテント泊地の明神平に到着です。正面に見えるのがあしび山荘。
広い草原。誰もいないので好きな所にテントを張れそうです。
なぜか隅っこにテントを設営。真ん中より隅っこが好きです。
この日がMSRエリクサー1の初張り。家で試し張りをしてきたのでスムーズに設営することができました。非常に簡単。
それにしても風もなく穏やかないい天気、ほんと来てよかった〜と独り言を言いながら設営。ペグダウンもしやすくてテント泊の為にあるのではないかと錯覚してしまう明神平・・・
ヨロッパカラーのフライシート。ナチュラルな感じが好きです。虫も大好きなようでいっぱい寄って来ました。蚊取り線香に急いで火をつけます・・・
誰かが焚き火をしたあと。ファイヤスポットかな?とか思いながら、ようやく食事の準備に取り掛かります。
和食でいきました。初めての田舎ごはんは少し味が薄かった・・・ちょっと醤油を足して良い感じに・・・どん兵衛は何もせずにいつも通りの美味しさ。
ちょっと寂しいのでラジオをつけて紛らわす・・・
ええい!始めちゃえ!もう飲んでしまえ!(冷たいビールが飲めるのかどうかのビール運送法の実験も兼ねてる今回のテント泊登山。)
オイルサーディンににんにく醤油を垂らしてバーナーで温めるだけ。これだけで十分美味しい!ビールも冷えててうまい!(ビール運送法成功!)
ゆっくり日が沈むのをビールをちびちびしながらボーっと眺めます。頭の中空っぽ。ラジオはただ鳴ってるだけ。内容は頭に入らない。目から入る美しい自然の景色を受け止めるだけで精一杯。余計なことは一切入ってこない素敵な時間。(酔ってるけど酔っ払っている訳ではない。)
意外と早くおねむになったので20時頃に就寝。夜中に起きて星を眺めてカメラにおさめるんだ!楽しみ・・・
ひんやり清々しい朝が明神平にやって来ました!おはようを連呼しながら深呼吸。まだ夏なのに寒い!なんか嬉しい・・・
時間のかかる梅じゃこご飯にお湯をそそぎ、先にコーヒータイム。
月が明るくて星空はイマイチ。そんなことより眠たかった。星空より寝袋が気持ちよくてゆっくり寝たかった。
今度は新月の時に来よう。そう思いながらコーヒーをすする。山は今日も綺麗だ。
モーニングトレッキングに出発!行き先は国見山!
ザックも何も持たずカメラだけぶら下げて深呼吸しながら進む。水無山に到着。明神平からはすぐ。
見晴らしの良い尾根歩き。とても気持ちがいい。ひんやりしてるので汗もあまりかかずに快適。
およそ50分ほどで目的地の国見山に到着。
朝の目覚めもよかったし、元気いっぱいなので休憩もそこそこで国見山を折り返します。
晴れてるけど、霞がかっかったような不思議な風景。明神平を見下ろしながら降ります。
おお〜!いいじゃない!我がテント!景色にマッチしてる・・・しかし少し地味かな?
明神平に戻り、ゆっくりコーヒータイム。この記事の最初の方でお伝えした通り、水場が近くにあるので冷たい水がすぐに手に入る。ほんと明神平はテント泊をするのに最高な場所です。こんな貸切のキャンプ場ないよ・・・(この時はもうひと組、ご夫婦の登山家の方がテント泊されてました。挨拶だけしてあとはお互い静かに過ごしていたので快適に利用できました。)
コーヒーを片手に撤収作業を済ませ、薊岳を目指します。最高のお天気!朝と違い暑くなりました。明神平から前山に向かう道の景色が最高で・・・
青い空と美しいグリーンが気分をあげてくれます。
前山から薊岳の登山道は、朝登った国見山への登山道とは少し違い、白い岩が目立ちます。
苔が美しく、雰囲気もどこか落ち着いた感じ。近くの山なのに違う。個性のようなものを感じながら歩くのも楽しいですよね。
頂上に近くにつれ、手を使って登る場面も少しありますが、重いザックを背負ってても楽に上がれます。
薊岳(雄岳)に到着!山頂は結構狭いので、ゆっくり休憩するのはちょっと難しそう。
先に休憩されてた方に、写真だけ取らせてもらい先に進みます。写真は薊岳より南側の山々。
薊岳からの下山道は綺麗に整備された木々の合間を縫うような登山道。勾配は上りの明神谷ルートよりきついけど、重たい装備でも安心して歩けるので気持ちがすごく楽。ただ距離が長いので、適度に休憩をしっかり取ることを心がけたいです。バテるので・・・
笹野神社の横に下山しました。ここからはアスファルトの林道を駐車場まで歩きます。
笹野神社横にある大又の看板。
こちらにも登山届提出BOXがあります。すぐ近くに大又バス停があるので、バスで来られた方は、こちらか今回のコースを逆走するコースもおすすめです。
林道をてくてくと登山の余韻に浸りながら歩くこと20分、駐車場に到着しました。今回も無事に楽しむことができました。お疲れ様でした!温泉に行きましょう!
下山後の温泉は?
今回利用したのは、駐車場から車で10分ほどのすぐ近くにあるやはた温泉です。
・やはた温泉・・・奈良県吉野郡東吉野村大字大豆生720-2 営業時間:午前11時〜午後9時 休業日:火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)12月29日〜1月1日まで 入湯料:大人500円 小人200円 泉質:単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉) 効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
洗い場も浴槽もあまり広くはないですが清潔で綺麗な温泉です。露天風呂はないですが大きなガラス張りで外が見えて開放感があります。ただ湯温が高め。熱いのがお好きな人におすすめです。
私も何度も出ては入りを繰り返して、ゆっくり利用することができました。施設内には休憩室も完備でお値段500円なので非常にリーズナブルです。近くにテントサイトもあるので、キャンプもできます。温泉キャンプ!いいですね!詳しくはリンクを貼っておきますのでご確認ください。
明神平テント泊登山まとめ
長々となりましたが、今回は明神平でのテント泊登山の様子をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?最後に簡単に記事の内容をおさらいしてこの記事を終わりたいと思います。
明神平とは、奈良県と三重県をまたぐ台高山脈の北側にある、標高1,323mの草原で周辺の山々への起点となるテント泊には最適な場所です。
近くには国見山、明神岳、桧塚奥峰、薊岳があります。
アクセスは、車の場合は七滝八壺にナビをセットすると迷わず来ることができます。公共交通期間を利用の場合は、近鉄大阪線榛原駅を下車、奈良交通バスを利用し東吉野村役場でコミュニティバスに乗り換え大又で下車。林道終点まで徒歩でアクセスできますが、平日のみのバス設定のようです。
登山当日は台風の影響で、七滝八壺手前で倒木のため、林道は車が通行止めで手前の駐車場を利用しました。また林道終点から明神谷の間で増水した沢をロープを頼りに渡る箇所が3箇所ほどあり、重量ザックを背負っての下山は困難と判断し、途中で予定のルートを変更しました。
この時に役立ったのが山と高原地図。登山道だけでなく水場であったり、眺望がいいなどの情報が書かれていて、非常に便利でわかりやすいです。登山の必須アイテムになりそうです。
登山のようすでテント泊について簡単に書きましたが、保冷剤とソフトクーラーバッグを使い、冷たいビールを飲むことに成功。天候にも恵まれ何の不自由もなく快適に過ごすことができました。
翌日の朝は軽く国見山に登ったのちに明神平に戻り撤収作業。その後、薊岳へ登りそのまま大又へ下山。登山道も整備されていて重量ザックでも安全に下山することができました。
下山後の温泉は駐車場から10分ほどのやはた温泉へ。熱めのお湯に浸かり登山の疲れを癒して帰路につき今回の山旅は終了です。お疲れ様でした。