Outdoor Press
Camp & Trekking
登山アイテム

雪山登山に使える!コストパフォーマンス最高の手袋「防寒テムレス」とは!?

登山用のグローブ(手袋)は種類が多くて、高価でどれを選んだら良いのか迷っていませんか?

あるメーカーのオンラインショップの手袋のカテゴリーをのぞいてみると、大まかなカテゴリーだけで14つもありました。例えば防水グローブ、防滴グローブ、防風グローブ、タッチパネル対応グローブ、インナーグローブ、フリースグローブ、ウールグローブ、レザーグローブ、ダウングローブ、アイスクライミンググローブなどなど・・・あまりに多すぎて、自分の登山スタイルにマッチする手袋はどれなのかを探すのに、すごい時間がかかりそうです。

登山の経験が豊富な方でも、「グローブ選びに答えが出ない。経験を重ねれば重ねるほど悩む。」と言われている冬山用のグローブ選び。高いグローブを購入して、無駄にした事も多々あるそうで・・・

そんな中、アイスクライマーやアルパインクライマーをはじめ、バックカントリーツアーのガイドなどの間で使用されたグローブがネットで話題となり人気となりました。そのグローブが「防寒テムレス」です。今回は、そんな経験者が好んで使用する手袋「防寒テムレス」について、人気になったポイントなど、実際に購入して使用したのでまとめてみたいと思います。

防寒テムレスとは

テムレスとは特殊防水加工の防寒手袋で、きっちり防水しているのに、透湿性があるために手が蒸れないことから、「テムレス」の名がついたそうです。外側はしっかり防水してくれて、手が汗をかいても湿気を外に逃してくれて、ドライで快適な状態を保ってくれる素晴らしいです。この透湿防水皮膜(テムレステクノロジー)の採用で、軽量化も実現している点でも優れた手袋だということがわかります。

「でもこれって登山用?」・・・確かに登山用グローブには見えません。むしろ魚屋さんが使っているような業務作業用の手袋ですが、透湿防水性だけでなく、登山に重要なスベリ止め効果も抜群なのです。

指先と手のひら部に特殊樹脂が施されていて、高いスベリ止め効果を発揮してくれるのです。使用されている方の情報では極めてグリップ力が高いとのこと。これは、使用用途にもある、冷蔵倉庫内の作業、保冷車での商品取り扱い作業といった、大切な品物を落としたりしないようにグリップ力を高めて安心して作業できる点からも納得できます。

また、アウター部分の樹脂部にポリウレタンが使われており、マイナス60℃の環境下でも柔軟性を保つ低温特性があります。低温になると硬化しそうな手袋ですが、かなり過酷な低温下でも柔軟に使える、徹底的に極寒仕様になっています。

さらに内側に柔らかくて暖かいボアタイプの裏起毛が施されていて、暖かいのです。素手で装着しても良いですし、薄いインナーグローブを装着してテムレスを重ねて使ってもよしです。

こんな感じで良いことばかりの防寒用テムレスですが、兵庫県姫路市にある「ショーワグローブ株式会社」が発売されている日本製。「ショーワグローブ」といえばたくさんの作業用グローブを生み出している会社で作業用手袋やその他のゴム手袋を使った方もいると思います。この日本の技術が詰め込まれたグローブが意外にも雪山登山で人気となっているのです。なんでもそうですが、初めに使って情報を広めた方はすごいですね。

さらに、もう一つ良いことが・・・それは、この「テムレス」お値段が税込1,522円だということ。これだけの高性能手袋が1,500円とちょっとで手に入る登山用の手袋はないです。気軽に試せる価格帯だと思いますので気になった方は是非試してみてはいかがでしょう。

サイズはM、L、LL、3Lの4つのサイズがラインナップされており、そんなに手が大きい方でないのですが、Lサイズでほぼぴったりでした。ですので、Mは女性でも使えると思いますし、インナーグローブを使われる方は、LL、3Lを選んだ方が無難かと思います。

テムレスサイズ表

 

サイズ 全長 手のひら周り 中指長さ
M 27.0cm 21.5cm 7.8cm
L 27.5cm 24.5cm 7.8cm
LL 28.0cm 26.5cm 8.3cm
3L 30.0cm 28.0cm 9.0cm

ちなみに私が購入したのは、京都府にある大手チェーンの作業服専門店ですが、あまり雪の降らない地域には防寒テムレスは置いていないそうです。現に大阪府の作業服専門店を数件まわりましたが、普通のテムレスしかありませんでした。取り扱いのない地域の方は通販になりますが、amazonで手に入れている方が多いようです。

 

*ブラックカラーも登場しました!

実店舗で購入するより、若干安く購入できるみたいです。

実際に登山で使ってみました

先日、近所の低山に登る際に、インナーグローブなしの素手で防寒テムレスを着用してみました。

ご覧の通り、低山といえ雪が積もっておりそこそこ冷え込んだ日でした。私は登り始めると、薄着でも汗をかくタイプなのですが、防寒テムレスはゴム手袋なのに全然蒸れません。手のひらもドライな状況で、ボアで暖かく快適に登ることができました。

防水も完璧で、雪を握っても染み込んだりしません。前に使っていたグローブは、バランスを崩して地面の雪に手をついた際に濡れてしまい、冷たくて不快な思いをしましたが、テムレスでは全く問題ないです。雪遊びにもってこいですよ♪

ロープを掴まないと下りれないような急斜面でもしっかりグリップして、安心して下山することができました。グリップが強いからと言って、手が痛くなったりしないので、手袋自体の厚みもちょうど良い感じだと思いました。とにかく暖かくて手を保護するのに最適な手袋だと感動しました。

テムレス使用時の注意点

残念ながら、登山用に作られた手袋ではないため、登山の使用で注意すべき点があります。

・刃物などの鋭いものを扱う際は、手袋が破れる恐れがあるために十分注意する。・・・防刃効果はゴム手袋のためありません

・ガソリンなどの有機溶剤系、揮発性の溶剤等を扱う際にも注意が必要。・・・膨張、浸透、表面が溶解してしまう恐れ(溶ける)があります。

・ロープやビレイを使用して登攀する際にスベリ止め効果の高いテムレスはビレイデバイスに指が巻き込まれる恐れがあります。また同様に、高いスベリ止め効果により円滑なロープワークが困難になります。・・・ビレイとは安全を確保する意味で、その安全を確保するための器具やロープを使う際に、高いグリップ効果のあるテムレスでは、指を巻き込まれたり、スムーズにロープワークができないことにより、重大事故に繋がりかねない危険な事案が発生しているそうです。また、同様に回転体を伴う作業にも、手が巻き込まれる恐れがあるので注意が必要です。このため、テムレスが使用禁止にしているところもあるようです。

注意点としては以上の3点があげられます。十分に注意して使用すれば、最高の相棒になってくれるでしょう♪

防寒テムレスまとめ

・コストパフォーマンスが素晴らしい!・・・店頭で購入しても1,500円ほどで購入できます。登山グローブって安くても5,000円はするので、3分の1の費用で手に入れられるのが嬉しい。

・雪を持って握っても、水に手を入れても濡れない防水性・・・水分が染み込んで来ることのない安心感。バランスを崩して、地面の雪に手をついてももう染み込んでこない。

・グローブないの手が蒸れにくく、暖かい!・・・いつもドライな状態で、ボア素材が暖かく快適な状態を保ってくれます。

・高いグリップ力・・・岩や木、常設のロープや鎖などを掴んで登り下りすることの多い登山で、しっかりしたグリップ力があるため安心して掴むことができる。

・業務用のため、ファッション的にはかっこ悪い?・・・かっこいい登山グローブもある中で、魚屋さんが使っているゴム手袋みたいだという意見もあります。また、カラーもブルーなので好き嫌いが出るかも・・・個人的には機能が素晴らしいので気にならない、気にしないです・・・

・注意することは主に3点・・・刃物による破れ、ガソリンなどの有機溶剤による膨張や溶け、強いグリップ力による、器具の巻き込まれに十分注意が必要です。

良いことばかりの防寒用テムレス、何度も言いますが、防水性、高いグリップ力、快適性、暖かさを全て兼ね備えているにも関わらず、1,500円で購入できるという、コストパフォーマンスが非常に良い手袋です。

手袋というアイテムは上級者でもなかなか答えの出ないと冒頭でもお話しましたが、あまり経験のない方もあまりに数が多すぎて何を購入すれば良いのか迷われている人も多いと思います。

数ある中から選ぶ楽しみもありますが、実用性、コストパフォーマンスに優れている防寒テムレスをまず試していただきたいです。万が一登山に使えなくても、厳冬期の愛車の洗車や雪かきなど使えるシーンはありますし、費用も1,500円なので試しやすいと思います。個人的に山で使ってみて気に入ったので、防寒テムレスでジャンジャン冬山に出かけたいと思います。

 

次の記事は「雪山で使える、激安ゲイター」

今回は、雪山登山に最適でコストパフォーマンスの良い手袋、防寒テムレスでしたが、次の記事も雪山登山には欠かせないアイテムのゲイターについてです。まだまだ寒い日が続きますので、雪山に行く際の必須アイテムです。

あわせて読みたい
激安ゲイターが低山の雪山登山に使えるのか試してみました。ゲイターがあれば、雪で濡れて体温が下がったり、不快感でストレスになりません! 雪山登山で心配なのが、積雪で登山靴に雪が入ってしまい...