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登山レポ

紅葉が美しい千畳敷カールから中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳をトレッキング。

ロープウェイ利用で一気に標高2,611.5mまでアクセス可能!美しい紅葉の千畳敷カールは必見!中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳は雲の上の世界。

遅めの夏季休暇を利用して長野へ。憧れの中央アルプス、木曽駒ヶ岳へようやくチャレンジすることができました。今回の長野の旅では、日本百名山に選定された山2座に登ろうと計画していました。

前回ご紹介した霧ヶ峰の周遊コースが第1弾で、今回の木曽駒ヶ岳が第2弾。まだ霧ヶ峰の記事を読まれていない方は下記のリンクからどうぞ。

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今回は木曽駒ヶ岳に登って来ました。アクセス方法や登山の様子をご紹介したいと思います。

木曽駒ヶ岳とは・・・

木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は長野県上松町、木曽町、宮田村の境にそびえる、標高2,956mの山で、中央アルプス(木曽山脈)最高峰の山です。

駒ヶ岳と名のつく山は多数あり、有名な山で見てみますと、秋田駒ヶ岳・会津駒ヶ岳・甲斐駒ケ岳・南駒ヶ岳・越後駒ヶ岳・北駒ヶ岳などがあり、駒とは馬のことで、山体が馬の形をしていることから名付けられたそうです。

木曽駒ヶ岳は、標高:2611.5mの千畳敷駅までロープウェイで一気に登ることができるので、登山初心者の方や、体力に自信のない方でも、標高の高い場所をトレッキングすることができるのでオススメなんです!

早速ですが、次の項目で木曽駒ヶ岳へのアクセスをまとめてみました。

木曽駒ヶ岳へのアクセス(千畳敷カール)

[車の場合]中央自動車道駒ヶ根I.Cより、県道75号線で菅の台バスセンターの駐車場を利用します。(有料:普通車・・・600円、中型車・・・1,000円、大型車・・・1,500円、二輪車・・・200円/1回)*県道駒ヶ岳公園線は、黒川平〜しらび平間が、一般車両通行禁止となっています。

菅の台バスセンターより、専用路線バスを利用し(1時間に2本)、しらび平へ(およそ30分)。しらび平より駒ヶ岳ロープウェイに乗車→千畳敷駅

[電車・高速バス利用の場合]JR駒ヶ根駅より専用路線バスを利用(1時間に2本)しらび平へ(およそ45分)。しらび平駅より、駒ヶ岳ロープウェイ利用で千畳敷駅へ。

大阪から長野へのアクセス方法、所要時間、料金をまとめた記事がありますので、よろしければ下記のリンクよりご覧ください。

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専用路線バスの時刻表はこちらです。

駒ヶ岳ロープウェイの運賃は往復:大人2,260円、小人1,130円で4月から11月は30分間隔、11月から3月は1時間間隔で運行。しらび平〜千畳敷まで7分30秒の空中散歩が楽しめます。

紅葉が美しい千畳敷カールからスタート

木曽駒ケ岳の概要やアクセスについての案内は以上で、ここからは写真とともに登山の様子をご紹介します。

まず、ルートからご説明します。

[駒ヶ岳登山ルート]

・千畳敷駅→・乗越浄土→・宝剣山荘→・中岳山頂→・木曽駒ヶ岳山頂→・馬ノ背→・濃ヶ池→・駒飼ノ池→・宝剣山荘→・乗越浄土→・千畳敷駅

・全行程およそ9.2km ・高低差およそ345m ・所要時間5時間46分

バスとロープウェイを利用して、標高2,611.5mまで一気に登るので、登山初心者でも日本アルプスの最高峰、木曽駒ヶ岳の頂上周辺のトレッキングを楽しむことができます。

氷河で削れてできた独特の地形、千畳敷カール

千畳敷駅に降り立つと、氷河期に氷河で削られてお椀型の地形になった「千畳敷カール」が目の前に見えます。高標高で森林限界を超えた岩の山々を見ることができます。登山をしない観光客でも、千畳敷カール内に遊歩道があり、景色を楽しむことができます。

千畳敷駅から、遊歩道を進み、上の写真の真ん中あたりのくぼんだ山頂が乗越浄土。まずはこちらを目指し登ります。遊歩道は途中で、登山の装備を整えた者だけが進める登山道に繋がっており、そこから先は勾配もキツく、石や岩などが露出した階段のような登山道を登ります。

ふと後ろを振り返ると、千畳敷カールが紅葉で染まり、美しさに息を飲みます。雲より上の世界・・・なんだかすごい・・・写真右側に見える建物が千畳敷駅で、ホテルもあります。宿泊したかったのですが、お一人様はNGなようで今回は泊まることはできませんでした。

この日の天候は雨予報・・・ただ前日の夜に確認して見ると、午前の早い時間だけ晴れ間が出そうということで、チャレンジしましたが少し青空も見えて安心。ガスが山肌を流れていく、日常ではあまり見ない景色を見ることができました。

それにしてもいい時期に来ました。紅葉が綺麗。まだまだ楽しめるでしょうね。

ゆっくりゆっくり登山道を登ると、迫力のある岩山が迫って来るような迫力を感じます。写真の真ん中に「宝剣山」標高:2,931mが見えます。クライマーの方が、大きな声で指示を出しながら登っているのを見ることができました。カッコいいです。一度はやってみたい・・・

カールを登り切ると乗越浄土という稜線に出ます

千畳敷駅より45分ほどで乗越浄土に到着。完全にガスの中で眺望はありません。

乗越浄土のすぐ隣にある宝剣山荘も真っ白でうっすら見えるような状態。でも、せっかく来たので木曽駒ヶ岳山頂を目指します!

ガスがすごい勢いで流れていて、たまに晴れ間が見えます。ただただ、少し晴れてくれるのを信じて先に進みます。

大きな岩がゴロゴロと・・・中岳山頂

乗越浄土から15分ほどで「中岳」の山頂(標高:2,925m)に到着します。岩が印象的な山頂です。少し厚い雲に入ると暗くなるので、写真のような感じで視界も悪くなります。

ガスが流れるのが速く、時折青空が見えたりするので、カメラを構えて待ちます。

なかなか見切りをつけるのが難しいです・・・

時折晴れ間が見えるので、雨予報でもチャレンジしてよかった・・・でも快晴ならもっと素晴らしい景色が見られると思うと少し悔しいですね・・・

中岳を後にして、いよいよ木曽駒ヶ岳山頂へ向かいます。緩やかな勾配をゆっくり登ります。

いよいよ中央アルプス最高峰、木曽駒ヶ岳山頂

何やら、たくさんの石をを積み上げたところが見えて来ました。

積まれた石は壁のように、神社の周りをぐるっと囲んでいます。こちらの神社は「木曽駒ヶ岳神社」で、木曽駒ヶ岳山頂になります。中岳からはおよそ30分くらいです。山頂はガスで眺望はあまりないのですが、何枚か写真を撮ったのでご覧ください。

駒ヶ岳山頂を示す看板

標高:2,956mもうすぐで3,000m。登山での最高標高地点を更新!(ロープウェイで来たけど・・・笑)

取り外しのできる看板です。記念撮影にどうぞ!

数少ない晴れ間を狙って・・・頂上木曽小屋が見えました。

標高が高い山で撮影するの初めてで、見下ろすような写真の撮り方が難しく感じました・・・

やっぱり晴れていて欲しかった・・・

時間が経つにつれ、晴れ間が少なくなって来ました。木曽駒ヶ岳山頂まで来たので、引き返してもいいのですが、2,000mの世界をもう少し楽しみたくなり、馬の背方面まで足を伸ばすことに。

前のめりに注意の馬の背

少しくだって振り返ってみる。青空がないと、地味かな?と思いましたが、紅葉があったのでこれはこれでよかったのだと言い聞かせます。

こんな鮮やかな赤が山で見られるとは思っていませんでした・・・

たまに、すごく晴れます。でもそこだけで周りの眺望はありません。日差しがキツイ!

結構な角度でくだります。バックパックの重量がかなりあったので前のめりになりそう・・・注意して進みます。

振り返ると、かなりくだっていることがわかり、少し不安になります・・・

本当に紅葉が綺麗。深い緑とのコントラストが美しい。

濃ヶ池で、最後の登りに備えて休憩

濃ヶ池までくだりました。標高は千畳敷駅とだいたい同じくらい。標高:2,650mです。

ここも氷河で削られた地形をしており、美しい風景が広がっています。

濃ヶ池の手前で撮った写真。緑の低い松は「ハイマツ」というのだそう。

濃ヶ池からは、九十九折の登山道を宝剣山荘、乗越浄土まで登ることになります。登りに備えて、バックパックをおろして、しっかり休息をとります。

写真中央が宝剣山荘。長い長い登りです。キツイ・・・

ようやく宝剣山荘にたどり着きました。濃ヶ池からは休み休み登って1時間10分・・・もっと体力をつけねばと、ずっと反省しながら登ってました。ここからは、千畳敷駅まで来た道をくだります。

時間もかなり経過し、乗越浄土も真っ白。濃ヶ池までは晴れ間もありましたが、ずっとガスの中でした。

乗越浄土から千畳敷駅までのくだりも真っ白なので、行きの登りの時に振り返った写真を載せておきます。本来晴れていればこのような風景を見ながら下山できます。

千畳敷駅が見えて来ました。もっと晴れていれば南アルプスの山々も見ることができるのだそうです。

無事に、千畳敷駅に到着です。今回のコースは所要時間:5時間46分、距離:9.2kmでした。疲れましたが、かなり充実した山行になりました。

中央アルプス木曽駒ヶ岳に登ってみて

ロープウェイで標高:2611.5mまで歩くことなく来れますので、登山だけでなく千畳敷カールを見にくるだけでも価値があると思います。ただ、ここまで来たのなら、木曽駒ヶ岳山頂には足を運びたいところ。その際には、きちんとした登山の装備が必要で、登山届も必ず出しましょう。(千畳敷駅に登山届を出すところあります。)

下山時すれ違った人の中には、サンダル(クロックス)で登っている観光客がいました。(外国人かも?)危険ですので、必ずトレッキングブーツを履いて登りましょう。

氷河で削られた独特の地形の千畳敷カールの登山道を乗越浄土まで登りますが、最初は勾配もゆるく、標高が増すにつれ勾配もきつくなり、その地形を体感することができます。

今回、乗越浄土より上は、ほとんどガスの中で眺望はなかなかはっきりと見ることはできませんでしたが、雨予報のわずかな晴れ間に期待してチャレンジ。写真を何枚か撮れるくらいの晴れ間があったので、本当に良かったです。

木曽駒ヶ岳山頂では、付近の山々を見下ろすことができます。あまり上から見下ろす写真を撮ったことがなく、難しく感じました。山頂を踏むことができて、天候もあまり良くなかったため、引き返して下山しようかと思いましたが、滅多に森林限界を超えた山に来ることができないため、そのまま、馬の背から濃ヶ池を経由して乗越浄土に戻るというコースをトレッキングしました。

千畳敷駅〜木曽駒ヶ岳〜千畳敷駅の折り返しルートでは少し満足できないという健脚な方に、今回のコースはオススメです。天気がよければ最高だと思います。

濃ヶ池から乗越浄土までの最後の登りはなかなかキツイです。山行としても終盤で体力を結構使っているので、前半から頑張リ過ぎないペースと休憩と補給が大切です。

普段登っている低山とはくらべ物にならないスケールの大きさ。まさに雲の上の世界です。5時間ほどの滞在でしたが、帰りたくなくなりました(笑)

大阪から高速バスで麓の駒ヶ根市まで来ることができ、駒ケ根高原では温泉(早太郎温泉)を楽しむことができるので、下山後のお楽しみもあります。ロープウェイでは日本最高の高低差を体感することができ、路線バスでは野生の猿を見ることもできるので、見所たくさんです。

今の時期に楽しめる紅葉は必見!是非、中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳と千畳敷カール行ってみて、スケールの大きさと山々の美しさを堪能して頂きたいです。