あなたは、ダマスカスナイフを知っていますか?
アウトドアで欠かすことのできない道具の中に、ナイフがあります。食材を切ったり小枝を切ったり、フェザーステックを作ったりなど、色々なシーンで活躍するナイフ。あなたもお気に入りのナイフを1本はすでに手に入れていることと思います。
このブログ、Outdoor Pressでも、何本かナイフをご紹介してきました。
自分で作ったIts my knifeはお気に入りで、すっかり私の相棒になっています。
先日、とある方とお会いする機会があり、お話をしているとナイフの話題に。「ダマスカスナイフがカッコいい」ということを教えていただいたのですが、正直、この時はダマスカスナイフの事知らなく、調べて見ると刃に模様のあるナイフだということがわかりました。
その模様が、山の等高線のように見えて、魅力的に感じました。アウトドアショップなどで見たことがなかったので、どこで手に入れる事ができるのか色々と調べて見ると比較的安価に手に入るものがありました。
今回は、安価なダマスカスナイフを手に入れて、どのようなナイフなのか見てみたいと思います。
ダマスカスナイフとは?
ダマスカスナイフとは一体どんなナイフなのか、ご存知じゃない方もいると思うので、簡単に説明すると・・・
ダマスカス鋼(ダマスカスこう、英:Damascus steel)とは、木目状の模様を特徴とする鋼であり、古代インドで開発されたるつぼ鋼であるウーツ鋼の別称である。ダマスカス鋼の名は、シリアのダマスカスで製造されていた刀剣などの製品にウーツ鋼が用いられていたことに由来する。
現在は異種の金属を積層鍛造して模様を浮かび上がらせた鋼材もダマスカス鋼と呼ばれているが、本来のダマスカス鋼の模様はるつぼによる製鋼における内部結晶作用に起因するものである。
wikipedia より引用。
刃などの鋼に木目状の模様があるのがダマスカス鋼の特徴で、現代では異種の金属を積層し鍛造することで、縞模様を表面に浮かび上がらせた鋼材。高級ナイフや一般ナイフに用いらています。
とあるオンラインRPGゲームの武器にもダマスカスナイフがあり、伝説の刀剣であるとかないとか・・・
刃の木目状の模様が美しいナイフは、所有者の心を掴んで離しません。
お手頃価格のダマスカスナイフ
記事の最初の方でお話した、安価に手に入るダマスカスナイフについてこの項目でご紹介したいと思います。
色々とダマスカスナイフについて調べてみると、価格が高いものばかりで中々手が出ません。やはり高級ナイフとして販売されているようです。アウトドアでガンガン使うには少し躊躇してしまいます。
手頃な価格で販売されているものはないかと、もう少し探して見つけたのが、今回ご紹介するBGTのナイフです。
こちらのナイフの商品名には「BGTこの戦術的な折りたたみナイフは古典的なダマスカスのパターンを持っていて、アウトドアキャンプの生存に使用できる。」と書かれています。
少し日本語的に違和感はありますが、ダマスカス模様の折りたたみナイフでアウトドアで使用できるとのこと。見た目も結構カッコいいです。
全長 | 20.2cm |
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ブレードの長さ・幅・厚さ | 長さ:8.5cm 幅:2.5cm 厚さ:2.6mm |
ハンドルの長さ | 11cm |
正味重量 | 210g |
重量 | 283g(ネルバッグ・砥石・ブラックボックスを含む) |
ナイフの硬度は57HRC。ハンドルにはカエデ木の表面が使われており、プロセスにレーザーダマスカスパターンとあります。
ナイフの硬度は57HRCと言われてもあまりピンとこないですよね。以下の引用文を参考にするとわかりやすいと思います。
研ぎやすさは硬度だけでは測れませんが、一般的に、硬度55〜58HRCくらいが柔らかいと感じ、60HRCを超えてくると、途端に固く、研ぎにくく感じるようになってきます。58〜60HRCは硬さと研ぎやすさを考えた時に絶妙な硬度だと言えます。
という事は、今回ご紹介するBGTのナイフは柔らかめのナイフである事がわかります。レーザーダマスカスパターンについては、後の項目でふれたいと思います。
実際にどんなものか購入してみた
実際に購入しましたので、開封からお付き合いください。
こちらが、先ほどの商品説明の重量の欄にあった「ブラックボックス」です。厚い紙製の箱ですが、しっかりとした作りになっています。
蓋を開けてみると、少しわかりにくいですが、黒いネルバッグが見えます。
黒いネルバッグを取り出すと、下には砥石が入っていました。砥石がセットになっているのはありがたいです。切れ味が悪くなってもすぐに研ぐ事ができ、わざわざ買いにかなくて良いです。
黒いネルバッグからナイフ本体を取り出してみました。折りたたみナイフになっていて、ハンドル部分にブレードが収納されています。ハンドル部には「BGT」の刻印の入ったカエデの木のハンドルが取り付けられており、冷たい感じのするナイフに木の暖かさをプラス。握りやすさと高級感が出て、とても良い感じです。
反対側にはポケットなどにナイフを入れた際の落下防止のためのクリップがついており、作業中に胸ポケットにナイフを入れておいても、クリップをして入れば落下しないようになっています。
意外と胸ポケットにものを入れて作業すると、ポロポロと落とす事が多いのでこのクリップは便利です。
本体からブレードを出した様子です。ハンドルとブレードの長さのバランスもちょうど良い感じです。
反対側からみた感じもカッコいいです。クリップが邪魔だと感じる方は、クリップを外すこともできますが、固定しているネジの頭が星型なので、専用の工具が必要です。このナイフにはその工具がついていないので、別途購入が必要です。(このナイフの全てのネジの頭が星型なので、分解する際も専用の工具が必要。)
ハンドルの収納部分(内側)です。クリップの付け根部分にある黒い部分が、ブレードを出した際に固定される部分です。黒い部分が内側に入り、ブレードをロックします。ブレードの出し入れもスムーズで、女性でも楽々ブレードの出し入れをする事ができます。
こちらはナイフの背の部分。ハンドル部分が分厚すぎないので、手が小さい方でも握りやすいです。重量も210gと軽すぎず、持った感じは程よい重さを感じます。この重さにも高級な感じを得られて満足。軽すぎると安っぽいイメージになり、重すぎると使いにくい・・・このナイフはその重さが絶妙です。
ブレード部分のダマスカス模様ですが、地形図の等高線のような模様でカッコいいです。
もう少し寄りで撮ってみました。刃の部分の幅が短く模様を邪魔しない感じで、購入した状態でも切れ味はいいです。普通に使用できる状態でこの値段なのでとても安いという印象を持ちました。
ダマスカス柄のプリントなのでは?
最近のダマスカスナイフは、異種の金属を積層鍛造をして木目状の模様ができるのですが、こちらのBGTナイフは「レーザーダマスカスパターン」と表記されていたので、積層鍛造ではなく、レーザープリントで金属に木目状の模様をプリントしてあるようです。
だから安価なのかと納得するも、プリントならすぐに模様が消えてしまうのでは?と心配になり、ナイフのハンドル部分の目立たないところをスポンジヤスリで削ってみて、模様が消えないか試してみることにしました。
本来はブレード部分で試さないといけないのですが、もし模様が削れてしまうと残念なので、ビビってハンドル部分で試してみます・・・
思い切って、しっかりヤスリをかけましたが模様が消えることはありません。普段使いで模様が消えてしまうことはなさそうなので、安心して使用できます。
ただ、プリントではなく異種の金属を使った積層鍛造のダマスカスナイフが気になります。プリントではないので、一つ一つが違う模様でもっと魅力的なナイフなのかな?と思うと、少し高価でも手に入れたいという気が湧いてきました。
手に入れた時はダマスカスナイフ第2弾としてご紹介できればと思います。
購入した感想
実は、異なる金属を使った積層鍛造のダマスカスナイフではないことは承知で、このBGTのナイフを購入したのですが、その理由は積層鍛造のダマスカスナイフがどれも結構なお値段をしていて手が出なかったのです。
しかし、ダマスカスナイフの事を教えてくださった方の話を聞くと欲しくなり、とりあえずどういうものか見てみたいので、このBGTのナイフを購入しました。(ダマスカスナイフの事を教えてくださった方は、モノ選びのセンスがめっちゃいいんです!)
実際に手元に届いてはじめに思ったことは、ずっしりして重厚感がある事。ブレードを出してみてみると、バランスの良いナイフだと思いました。
レーザーのダマスカスパターンという事で、積層鍛造のものではありませんが、等高線のような木目状の模様もカッコよく、刃に模様のあるナイフは新鮮に感じられました。
個人的には、ダマスカスの模様はブレード部分だけにしておいてほしかった・・・ハンドルの金属部分までダマスカス模様が入っているので、ちょっと締まりがないかな?と思いました。
紙を試しに切りましたが、スッと切れて購入時でも砥ぐ事なく使えます。2,000円くらいで購入できるナイフにしては、アウトドアに持ち出しても十分に使えそうなので、おすすめできます。
レーザープリントで使っているうちに、ダマスカスパターンが消えてしまうのではないか?という心配はありましたが、ヤスリがけの検証で問題なさそうな事がわかり、これからじゃんじゃん使おうと思っています。
ハンドル部分も持ちやすく、程よい重さを感じられて気に入っています。
でもいつかは、積層鍛造のダマスカスナイフが欲しい!その気持ちは加速したかもしれません(笑)とりあえず等高線のようなダマスカス模様のナイフが欲しい人にはおすすめです。何と言っても安価なので、ガンガン使える!気にせず使える!これが嬉しいです。早速山行に持っていっています。
BGTダマスカスパターンナイフまとめ
今回は、レーザープリントによる木目状の模様が入った、BGTのダマスカスパターンナイフをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?もう一度この記事の内容をおさらいしたいと思います。
・ダマスカスナイフとは・・・
ダマスカス鋼とは、木目状の模様を特徴とする鋼。現在では異種の金属を積層鍛造して浮かび上がらせた鋼材もダマスカス鋼と呼ばれていて、高級ナイフなどに用いられている。
・今回ご紹介したナイフは、レーザーでプリントされたもの・・・
異種の金属で積層鍛造されたダマスカスナイフは高価なので手が出ない、そこで安価なレーザープリントのダマスカスパターンのナイフを手に入れて、どういうものなのかを知りたかった。
・実際に手元に届いて・・・
実際に手元に届き自分の目で見た感想を簡単にまとめると、安物に見えず重厚感があり、持った感じの重さ加減がちょうど良い。ブレードを出した姿もバランスよく、購入時のままでも切れ味がよく第一印象は良かったです。砥石が付属しているので、切れ味が悪くなるとすぐに砥ぐ事ができるのも嬉しいです。
・レーザープリントなら使っているうちに模様が消えてしまわないか?・・・
木目状の模様というか、地図の山の等高線のような模様がカッコいいのに、レーザープリントなら、使っているうちに模様が消えてしまわないか不安になり、目立たないところをヤスリがけしてみたが、模様は消えずに一安心。普通に使用すれば模様が消える心配はなさそうです。
・BGTダマスカスパターンナイフはどんな人におすすめ?
積層鍛造のダマスカスナイフが欲しいけど高価でなかなか手が出ない私みたいな人や、安価で気にせずにアウトドアでガンガン使いたい人。少し他のナイフとは違った模様入りのナイフが欲しい人におすすめです。
以上がこの記事のまとめです。いつかは積層鍛造のダマスカスナイフを手に入れて、第2弾としてお伝えしたいと思います。それまでこのナイフでアウトドアを楽しみたいと思います!
ダマスカスナイフを私に教えてくれた方は、モノや写真、地域の事など色々な事を発信されています。記事で扱うモノのセンスが良く、写真の撮影方法や機材などの情報をたくさん提供されていますので、是非読みに行っていただきたいです。